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145 :303 ◆CFYEo93rhU :2017/10/14(土) 02 01 10 ID lKo/SRwk0 投下終了です。 似たようなシチュエーションは以前から考えていたのですが、 具体的なイメージが湧いた良い機会だったので書いてみました。
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名前 イメージ 攻撃力(最大) 防御力(最大) 兵士数(最大) 進化段階 コスト スキル スキル強制発動 春節 6805~(10888) 6805~(10888) 6805~(10888) ☆ 66 --果報招来--大きな幸福が舞い降りる。全体のスキルを発動状態にする/5% フェアリープリンセス 6500~(10400) 6550~(10480) ?~(11050) ☆ 65 --フェアリーサークル--数多の妖精の加護を授ける。全体のスキルを発動状態にする/5% 夢枕 6500~(10400) 6550~(10480) ?~(11220) ☆ 66 --一富士二鷹三茄子--縁起の良い枕が幸運を呼び込む。全体のスキルを発動状態にする/5%
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【武装名】 ヴァルキュリア・フレーム 【読み方】 ゔぁるきゅりあ・ふれーむ 【搭載MS】 V03-0907 オルトリンデV04-0630 ヴァルトラウテV07-0126 ジークルーネV08-1228 グリムゲルデV08Re-0526 ヘルムヴィーゲ・リンカー 【詳細】 厄祭戦末期に開発されたMS用インナーフレーム。 エネルギー効率に優れ、軽量化を押し進めた細身の形状が特徴。 機動性に優れるが軽量化を優先したため、重心コントロールを慎重に行わないと接近戦であっても決定打を与えることができない。 そのため戦闘力はパイロットの技量に大きく依存してしまうという欠点を持つ。 コンセプトとして重装甲を施し、重量でMAを押さえ込んでの接近戦を挑むヘルムヴィーゲのみ例外と言える。むしろフレームの利点を捨てるとか正気かと開発者に聞いてみたい。 頭部にはモノアイ型の高精度センサーを持ち、機体によっては頭部装甲を展開することでセンサーを露出させ高精度モードに移行する。 開発時期はガンダム・フレームと同時期。 当時はこのフレームを用いたMSはグリムゲルデとその姉妹機が数機のみと、かなり少なかったとされる。 モビルアーマーを駆逐する存在が求められていた厄祭戦当時としては、機動性よりもナノラミネートアーマーを粉砕し、AIを破壊し沈黙させるだけのパワーが求められていた。 そのため機動性とエネルギー効率を優先したヴァルキュリア・フレームは時期が悪かったと言わざるを得ず、実際終戦後その設計思想は高い評価を受けギャラルホルンで研究が進められていった結果、数百年後量産機としての一種の到達点とも言えるグレイズ・フレームが開発された。 その一方、扱いが難しく製造も困難なガンダム・フレームの技術は発展せず、関連機はおろか後継機に当たるMSすら存在しないと明暗分かれる結果となった。 当時の戦歴そのものは芳しくなかったものの、総合性能自体はガンダム・フレームに劣らぬものを持っていたとされ、 パイロットの腕にも左右されてしまうが、戦闘力はガンダム・フレームにも勝るとも劣らない。 同じく軽量化を進め、機動性に特化したフレームとしてヘキサ・フレームが存在するが、 こちらは量産を前提としたフレームであり、大量に作られたが戦時中大量に撃破されたため現存数が少ない。 ヴァルキュリア・フレームタイプも厄祭戦で撃破され消失した機体も少なからず存在したと思われる。 少なくともヘルムヴィーゲは現存していないため、わざわざ現代技術で復元したのだろう。 現存が確認できるのはグリムゲルデとオルトリンデのみ。 しかしグリムゲルデのフレームを用いたヘルムヴィーゲ・リンカーはASW-G-66 ガンダム・キマリスヴィダールに敗北しフレームも真っ二つになってしまったので、 回収、修復は困難であろうことから、現時点で現存しているのはオルトリンデだけと言うことになる。 まぁこちらも事故を装ってパイロットが殺されてしまったため、再登場は絶望的と思われるが、アプリ版オルフェンズにて新たなヴァルキュリアであるV07-0126 ジークルーネ、及びV04-0630 ヴァルトラウテが登場した。 厄祭戦でのことは言及されているが、現存しているかどうかは触れられていない。 現状、5機のヴァルキュリア・フレーム機が登場しているが、残り4機と思われる機体の情報は今のところ存在しない。 アプリ版で唐突に登場することも十分に考えられるが、形式番号から察するに残る機体は「V02 ゲルヒルデ」、「V05 シュヴェルトライテ」、「V09 ロスヴァイセ」、そして「V01」としてブリュンヒルデとなるのだろう。 このフレームを用いたMSが装備している武装は総じて「ヴァルキュリア◯◯」という名称で統一されている。 また形式番号は「V0●-●●●●」で統一されており、Vはおそらくヴァルキュリアの頭文字で続く2桁の数字は開発順、ハイフンを挟んだ4桁の数字はどのように決められているのかは不明。 【余談】 フレーム名であるヴァルキュリアとは、戦乙女とも表記される北欧神話に登場する半神。 ワルキューレの古ノルド語読みであり、他にはヴァルキリー等と呼ばれる。 このフレームを用いたグリムゲルデもヘルムヴィーゲ・リンカーの両方、ニーベルングの指輪というリヒャルト・ワーグナー作の創作に登場する神話に登場しないワルキューレの人物名から由来している。 外伝に登場したオルトリンデもヴァルキュリア9姉妹から取られたもので、開発された9機になぞらえたものと思われる。 長女としてブリュンヒルデがあり、そこからゲルヒルデ、オルトリンデ、ヴァルトラウテ、シュヴェルトライテ、ヘルムヴィーゲ、ジークルーネ、グリムゲルデ、ロスヴァイセと続く。 デザイン担当は海老川兼武氏で、グリムゲルデの形式番号は彼の誕生日から。 他のヴァルキュリア・フレーム機の形式番号も誕生日と思われる4桁の数字が配置されているが、どれが誰の誕生日を使っているのかは明かされていない。
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メディアワークス2.0 2008年1月26日発売。 参戦作品いぬかみっ! 学園キノ イリヤの空、UFOの夏 護くんに女神の祝福を アスラクライン カードリスト (詳細な能力等は個別に参照してください) ユニット ナンバー 色 カード名 スター レベル 夢 希望 幸運 BP SP MW06001 赤 ともはね 2 ○ 2000 1000 MW06002 赤 いぐさ 3 ○ 4000 1000 MW06003 赤 いまり&さよか 3 ○ 3500 1000 MW06004 赤 フラノ 4 ○ 4000 1500 MW06005 赤 てんそう 4 ○ ○ 1000 1500 MW06006 赤 ごきょうや 4 5000 1500 MW06007 赤 川平薫 4 5000 1000 MW06008 赤 川平啓太 4 ○ 5000 500 MW06009 赤 せんだん 5 ○ ○ 4500 1000 MW06010 赤 ようこ ★ 5 ○ 5500 1500 MW06011 赤 たゆね 5 4000 1000 MW06012 赤 はけ 5 ○ 4500 500 MW06013 赤 なでしこ ★ 6 ○ 6500 1500 MW06014 赤 大妖狐 7 ○ 4000 2500 MW06021 黒 エルメス 2 ○ 2000 1000 MW06022 黒 木乃 3 2500 1000 MW06023 黒 黒島茶子 3 ○ 4500 1000 MW06024 黒 謎の美少女ガンファイターライダー・キノ ★ 4 ○ 4000 1500 MW06025 黒 体操着の木乃 4 ○ 5000 1000 MW06026 黒 水着の木乃 ★ 4 ○ 4000 1000 MW06027 黒 犬山・ワンワン・陸太郎 4 ○ ○ 2000 1500 MW06028 黒 ティー 4 ○ 500 0 MW06029 黒 ワンワン刑事 5 ○ 6500 1500 MW06030 黒 サモエド仮面 ★ 5 ○ 7500 1000 MW06031 黒 静 5 ○ 5000 1500 MW06032 黒 茶子&犬山 5 6000 1500 MW06033 黒 静&犬山 6 ○ 1500 1500 MW06034 黒 美老婆銃士・ヴァヴァア・ザ・スーパー 7 ○ 5500 2000 MW06041 青 校長 2 ○ 3000 1000 MW06042 青 浅羽夕子 3 ○ 2000 1000 MW06043 青 須藤晶穂 3 ○ 3500 1000 MW06044 青 水着の夕子 4 ○ 1000 1000 MW06045 青 水着の晶穂 4 ○ 3500 1000 MW06046 青 浅羽直之 4 ○ 2500 1000 MW06047 青 伊里野加奈 4 ○ 3000 1500 MW06048 青 須藤晶穂(★) ★ 4 ○ 4500 1000 MW06049 青 水前寺邦博 5 ○ 2000 1000 MW06050 青 水着の伊里野 5 5000 1000 MW06051 青 榎本 5 3000 1500 MW06052 青 椎名真由美 5 6000 1500 MW06053 青 伊里野加奈(★) ★ 6 ○ 4000 1000 MW06054 青 ブラックマンタ 7 ○ ○ 7000 500 MW06061 白 吉村逸美 2 4500 1000 MW06062 白 樫本希実子 3 4500 1000 MW06063 白 藤田美月 3 ○ ○ 4000 0 MW06064 白 吉村護 4 ○ ○ 1000 1000 MW06065 白 周藤摩耶 4 ○ 500 1000 MW06066 白 柿崎由良理 4 ○ 5500 500 MW06067 白 周藤汐音 4 ○ 3500 1000 MW06068 白 海狼&氷雪 4 5500 1000 MW06069 白 鷹栖絢子 ★ 5 7500 1000 MW06070 白 エメレンツィア=ベアトリクス・リューディガー ★ 5 ○ 6000 1000 MW06071 白 アド・アストラ 5 ○ ○ 3500 1000 MW06072 白 鷹栖正樹 5 6000 1500 MW06073 白 ガートルード・マクヴリーズ 6 ○ 6500 1000 MW06074 白 ヨハン=ディーター・リューディガー 7 ○ 4500 2500 MW06081 緑 樋口琢磨 2 ○ 2500 1000 MW06082 緑 大原杏 3 ○ 3500 1000 MW06083 緑 佐伯玲子 3 ○ 2000 1000 MW06084 緑 嵩月奏 ★ 4 6000 1500 MW06085 緑 夏目智春&水無神操緒 ★ 4 ○ 5000 1000 MW06086 緑 アニア・フォルチュナ・ソメシュル・ミク・クラウゼンブルヒ 4 ○ 1500 1500 MW06087 緑 沙原ひかり 4 5000 1500 MW06088 緑 華島由璃子 4 ○ ○ 4500 1000 MW06089 緑 佐伯玲士郎&志津間哀音 5 ○ 4500 1000 MW06090 緑 黒崎朱浬 5 4000 1000 MW06091 緑 鳳島蹴策 5 ○ 4000 1500 MW06092 緑 倉澤六夏 5 ○ 5000 1500 MW06093 緑 橘高冬琉 6 6000 1500 MW06094 緑 加賀篝降也 7 ○ ○ 5000 1500 ストラテジー ナンバー 色 カード名 スター レベル 夢 希望 幸運 MW06015 赤 白骨遊戯 4 ○ MW06016 赤 天才児 5 ○ MW06017 赤 川平の宗家 4 MW06018 赤 願望充足汁 ★ 4 ○ MW06035 黒 どけ! 4 MW06036 黒 けん銃のない安全な社会を目指して 4 ○ MW06037 黒 単車のない安全な社会を目指して 6 ○ MW06038 黒 変身 6 ○ MW06055 青 ほのぼのスパイ大作戦!! 6 ○ MW06056 青 ESPの冬 3 ○ MW06057 青 ブラックマンタのパイロット 4 MW06058 青 夏休みふたたび 6 ○ MW06075 白 東京ビアトリス総合大学附属高等学校演劇部 4 MW06076 白 恋するビアトリス 4 ○ MW06077 白 十数年の思い出 6 ○ MW06078 白 世界一えくせれんとな髪型 ★ 6 ○ MW06095 緑 座天使級護法榴弾砲 6 ○ MW06096 緑 二人三脚 3 ○ MW06097 緑 機巧魔神 4 MW06098 緑 ・・・・・・何があったんです? ★ 4 トラップ ナンバー 色 カード名 スター レベル 夢 希望 幸運 MW06019 赤 バナナDEワニワニ 4 MW06020 赤 じゃえん 4 ○ MW06039 黒 あとがき 7 MW06040 黒 往復びんた 5 ○ MW06059 青 UFOの夏 4 MW06060 青 伊里野の髪を切ったのだ ★ 7 ○ MW06079 白 《魔女ベアトリーチェ》が消えた日 3 ○ MW06080 白 ジョシコウセイ・クエスト 3 ○ MW06099 緑 王様遊戯 4 ○ MW06100 緑 土琵湖怪生物 4 ○
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ここで富士学校のシステムを補足しておく。 富士学校への採用は、恐ろしく不定期であり、期ごとの採用数は、かなりばらつく。 美奈代達45期は、たった10名。 その前である44期は実に50名だ。 しかも、この2期は同じ日に富士学校に入校している。 これは、44期が従来の採用方法による、つまり、志願制による採用を方法をとったのに対して、45期は実は徴兵によるものという違いがある。 44期からすれば、「俺達は自分から名乗り出なければ採用してもらえなかったのに、45期は迎えが来た」となるし、45期からすれば、「こんな所になんで志願で入ったの?」と、互いに互いを不条理なものとして感じてしまう。 美奈代達は、そんな中にいた。 分隊毎に行動することを前提とする学校制度に従い、年度が一緒ということで、44期が第一から第六分隊を編成、美奈代達はその最後、第七分隊という扱いを受けていた。 カリキュラムはすべて別。 その進行はなぜか、全て44期の方が早い。 美奈代達がメサイアのシミュレーターにようやく慣れ始めた頃、富士学校の生徒達の間で話題になるのは、たった一つだ。 模擬戦。 正確には“分隊対抗模擬戦闘訓練”。 分隊毎にメサイアで繰り広げる模擬戦闘のこと。 勝ち抜き式のトーナメント方式で最後まで勝ち残った分隊が勝利となる。 賞品は望みのまま―――そう言いたいが、実際の所、何か出たと聞いた覚えがない。 教官からほめ言葉くらいはもらえるだろう、せいぜい内申がよくなる程度ではないか。 美奈代達の認識はその程度だったが……。 「賞品はアフリカ送りだ」 二宮の一言に美奈代達は唖然となった。 「はっ?」 「質問」 宗像が手を挙げた。 「それは―――罰ゲームなのでは?」 「そう思うか?」 「最前線送りは死刑判決に近い気がします」 美奈代はあわてて付け加えた。 「一般兵の感覚では」 「……命拾いしたな。騎士としてそのセリフを口にしたら、タダでは済まさんが」 二宮は美奈代をにらみつけると、続けた。 「派遣期間は2ヶ月を予定している。 派遣から期間すればそのまま卒業するタイミングだ。 派遣期間はたった2ヶ月にもかかわらず、1年間の従軍期間と同じ扱いを受ける。 これにより、貴様らは普通、卒業すれば准尉に任官されるが、派遣された分隊所属者は、卒業と同時に少尉任官となる。階級一つ違うと、軍隊では待遇がかなり違うぞ?」 二宮は楽しげに言った。 「これを目指してがんばれ」 対する候補生達の反応は冷ややかだった。 「一年間分の従軍経歴と、少尉の階級章が欲しいか?ということですか?」 「そうだ」 「別に興味ありません」 美奈代はきっぱりと言った。 「中尉までなら、まじめに任務に励めば、いつかはもらえるとおっしゃったのは教官です」 「……っ」 「だいたい」 宗像が言った。 「そんな栄誉なんて、あのエロ、じゃない。44期の第一分隊あたりのモノでしょう?我々のようなドンガメ分隊には何の意味もありません」 「そ……それは」 「?」 「教官?」 祷子が訊ねた。 「何か、それを目指さないと、私達にとって都合の悪いことがあるんですか?」 「いや……」 二宮は、気まずそうな顔で首を左右にふると、とって付けたような笑顔で、明るい声を上げた。 「そ、そうだ!派遣前には一週間の特別休暇があるぞ!?」 「……別にどうでもいいです」 「……あっ」 二宮は今度こそ固まった。 「他分隊に勝てると思っていませんから」と美晴。 「そうよね」さつきは頷いた。 「まぁ、教官。負けても殺されるわけじゃないですし、アフリカに送られなければどうなるんです?」 「いや……」 二宮はやや落胆した様子で手元の書類をめくった。 「通常授業だが……」 「私、そっちでいいです」 さつきは言った。 「死にたくないですし」 「……」 「ねぇ」 授業の後、食堂へ向かう途中、美奈代が言った。 「二宮教官の様子がヘンだとは思わなかった?」 「うん」 さつきが頷いた。 「退室するとき、黒雲背負っていたし、なんだか、アフリカ送りに妙にこだわっているっていうか……どうしたんだろ」 「私もそう思いましたけど」美晴が首を傾げた。 「何か言いづらいことを言わなきゃいけない。でも、それをどうしても言えなかった……そんな感じでしたね……そういえば」 「ん?」 「宗像さんは?」 「さっき、第一分隊の染谷候補生に呼び出されました」 「宗像が?」 「はい」 祷子は頷いた。 「なんだか、染谷候補生はあわてた様子でしたが」 「染谷と宗像が?」 さつきが顔をしかめた。 「まさか。あの二人が?」 「……ん?」 二宮が何を考えているかさえ忘れて、昼飯のメニューが何かだけを考えていた美奈代は、なぜか、さつき達の視線が自分に注がれていることに気づいた。 「どうした?」 「……いえ」 美晴が気まずそうに視線をそらせた。 「ほら、染谷ってさ」 さつきがそういいかけた時だ。 「待たせたな」 宗像が小走りに、美奈代達に合流した。 普段、ほとんど感情を表に出すことのない宗像にして珍しいことに、その顔は怒りにゆがんでいた。 「どうした?」 「食後にでも話す」 宗像はそっけなく答えた。 「口にするだけでメシがまずくなるからな。メシが終わったら」 宗像は指の関節をならした。 「二宮教官を締め上げに行くぞ」 「?」 「どういうことですかっ!」 職員に美奈代の怒鳴り声が響き渡った。 候補生達が二宮を包囲している。 その顔はどれもかなり怒っていた。 「模擬戦は大目に見ますっ!」 「いや……あの」 二宮は教え子達の気迫に負けた様子で、つくり笑顔を浮かべている。 「しかしっ!我々が最下位になったら、優勝した分隊相手にコスプレ接待って何ですか!?」 「あ……あれはね?」 「我々が賞品になってどうするんですっ!」 美奈代達が真実を知ったのは、食堂に入ってからだ。 普通の候補生にとって、模擬戦は将来を見据えれば最も最初に手に入れることの出来るエリートコースの第一歩だ。 しかも、メサイアで思い切り戦闘が出来る初めてのチャンスでもある。 ちょうど、順調に訓練を重ねてきた候補生達が、騎体保護のためとはいえ、制約ばかりの“子供(ガキ)のお遊戯”じみた訓練に飽き飽きしだす頃だということも影響している。 ―――派手に暴れてエリートコースの第一歩を踏み出そう。 そう、考える方が候補生としては普通なのだ。 ―――テキトーにやって、楽したいです。 そんな風に考える美奈代達の方が、はっきり異常なのだ。 美奈代達がこんな風に考える最大の原因は、この時点で美奈代達が、実騎搭乗経験を持っていないことだ。 問題は、教官たる二宮が徹底してカリキュラムを遅らせているせい。 いつまでたってもシミュレーターばかりの毎日。 “カメが甲羅に籠もっている”と他分隊にバカにされても反論さえ出来ない。 実騎に乗っても勝てる自信はあるが、実騎搭乗経験者の前で口にする度胸は第七分隊の誰にもない。 卒業までに必要な実騎搭乗経験時間は100時間近く。 どう考えても毎日搭乗が必要。 訓練騎を遣り繰りするにも限界があることは、美奈代達の目にも明らかだった。 つまり、美奈代達は、この時点で卒業がかなり危ないのだ。 これ以上、どんなに頑張っても、卒業出来るかもわからない。 それなのに、エリートコースの第一歩目指して何かしろなんて言われても、ピンとこない。 むしろバカにされているんじゃないのか? そうでなければふざけている。 それが、美奈代達の本音だ。 ―――模擬戦で勝てば卒業できる。 そう言われたとしても、 ―――実騎搭乗訓練を受けてない私達が勝てると言うのですか? 美奈代達はそう反論するだろう。 ―――私達で勝てるというなら、何のための実騎搭乗訓練なのですか? そう、言い返すだろう。 はっきり言う。 美奈代達は、この時点で近衛採用をは諦めていた。 皆が皆、近衛をお払い箱にされた後のことを考え、せめて問題を起こさないようにと訓練しているだけなのだ。 その美奈代達が、食堂に入った時、模擬戦を心待ちにする候補生達が自主的に貼り付けた張り紙があちこちに貼り付けられているのが目に入った。 『必勝!第二分隊』 『目指せV2!第三分隊』 高校時代の球技大会を思い出す張り紙に微笑ましささえ覚えた美奈代達だったが、食堂に居合わせた他分隊の候補生達の視線が、普段とは違うことに気づいた。 普段の見下げたような視線ではない。 ちがう。 普段の視線の中に見え隠れしていた“モノ”があからさまになっていた。 それは、決して普通の女として受けたい種類の視線ではない。 「?」 思わず顔を見合った美奈代達は、それでも配食を待つ列の最後部に並んだ。 そして一枚の張り紙の前に立った。 「これは一体、何ですか!?」 美奈代が二宮に突きつけたのは、その張り紙だ。 「い……いや、だから」 皆の怒りは、二宮は後ずさった程の迫力を持つ。 「みんなの視線が妙にエッチになったからおかしいとは思ったんです!」 美晴は顔を真っ赤にして声を荒げた。 「優勝賞品の副賞は第七分隊のコスプレ接待って何ですか!」 「私達、未成年なんですけど」と祷子。 「こういうのはそういう職業の方に」 「風間のコスプレ接待は私だけでいいんです」と宗像。 「教官」 美奈代は張り紙を畳んで胸ポケットに入れると、言った。 「授業中に言いづらかったことってこれですか?」 「えっ?」 「私、これはいいと思っているんです」 「なっ!?」 美奈代の爆弾発言に、分隊の全員が固まった。 「み、美奈代?あ、あんた何考えて」 「軍隊内で階級等を口実に性的関係を強要、年数名の女性兵が精神病を理由に退官、もしくは自殺に追い込まれていたことが発覚したとして、陸海軍がマスコミの集中砲火を受けていることはご存じでしょう?その中で新たに、しかも、候補生同士に性的関係を命じる。その証拠ともとれる」 すうっ。 美奈代は息を吸い込んだ。 「この張り紙をマスコミに送りつけるだけで、反近衛系の朝刊の一面はさぞ楽しいことになるかと!」 二宮の顔色が青くなった。 「海軍は大臣更迭まで行きました。近衛ではどなたが更迭されるんでしょうか!?教官方も、ご家族共々、マスコミの集中砲火にさらされ大変でしょうね!」 「―――っ!」 職員室で事態を見守っていた他の教官達が目を見開いた。 何が起きているかわからないが、とばっちりが自分に来るだろうことは確かだと、直感的に理解したのだ。 皆が二宮の答えに注目する中、美奈代はさらに追い打ちをかけた。 「コピーはすでに美晴の実家に送りつけてあります!」 「なっ!」 「海軍少将、海軍第3航空群司令殿が、この張り紙から、御令嬢の貞操をどのように想像されるかは知りませんが!」 「きさっ!」 「一般人が見て問題があるシロモノを、神聖なる学舎に貼り付ける方が問題ですっ!」 「うっ!」 つかみかかった二宮の手が止まった。 「―――答えてください。教官」 美奈代は座った目で、有無を言わさずに言った。 「何でこんなこと言っちゃったんですか」 「何でわかったの!?」 思わず叫んだ二宮は、口から出た言葉の意味に気づき、あわてて口を閉じたが、後の祭りだった。 「やっぱりっ!」 美奈代が悲鳴に似た声を上げた。 「何をどうしたら、教え子の貞操危うくするようなこと約束するんですか!」 「いや……だから」 「神城達にそんなことさせたら、通報モノですよ!?」 「どういう意味だよ!美奈代っち!」 珍しい光景ではあった。 普段なら、質問に答えられない美奈代が二宮にとっちめられるのが、今は逆だ。 「模擬戦を巡って池田大尉と口論になったんだ」 横でやりとりを聞いていた長野大尉が、しかたない。という顔で口を開いた。 「口論の内容は一々、知る必要はない。知った所で意味はないからな」 「……」 「……」 「ただ、これだけははっきりしている。おまえ達はケンカを売られたんだ」 「ケンカ?」 「そうだ。女中心の部隊に何が出来るかってな」 「最低っ!」吐き捨てるように言ったのはさつきだ。 「性別理由にするなんて、それでもあいつら男!?」 「少なくとも、そんなこと言うのは池田の野郎だけだ」 顔を真っ赤にして怒るさつきを前に、長野は苦笑しながら肩をすくめた。 まるでわがままを通そうとする娘を諭すような穏やかな口調だ。 「お前達がいるだけど、エリートたる息子のメンツを潰される。そう勝手に思いこんでいるバカ親がいるんだよ」 「バカ親?」 「ヤツにとって、第一分隊を為す息子達は、世界で一番立派な自慢の種だ。だから、こういう物言いは嫌いだが……」 長野はちらりと美奈代達を見た。 「その息子達が、お前ら女中心の部隊と一緒に、学校にいる事自体が、ヤツには気に入らないんだ」 「そんな理不尽な」 「だからバカだと言ったんだ。その親バカが……二宮中佐、失礼しますよ?別分隊の親バカにケンカをふっかけた。 いつもシゴかれているお前らにとって信じられないだろうが、二宮中佐にとって、お前達は可愛い娘達なんだ。カリキュラムが厳しい厳しい言っているが、可愛い娘達に死なれたくなかったら、今でも足りない位なんだぞ?」 「う……」 「うそじゃない」長野はさつきの言葉を封じた。 「実戦経験者から言わせてもらうと、今の近衛のカリキュラムは薄すぎる。俺の目からすれば、池田ご自慢の第一分隊でさえ、今の程度なら、初陣で生き残る確率は2割がいいところ。他分隊なら1割は無理だろう」 「……」 「初陣に全員並べてよーいドンで敵に突っ込ませたとしよう。余程運がよければ、全分隊のうち、生き残るのは第一分隊の染谷と東と……他には思いつかん」 「……」 「どいつもこいつも、いっぱしのツラばかりで、中身はカラだ。実騎もシミュレーターも未熟すぎる」 「……」 美奈代達は、長野の厳しい評価に言葉を失っていた。 第一分隊は自分たちの足下にも及ばない分隊内の猛者として選抜された身のはずだ。 それが、実戦経験者の身からすれば未熟以下だとするなら、私達はどうなるんだ? 「だからこそ、二宮中佐はお前達をカリキュラムの遅れを承知の上で育てている。他の教官達からなんと言われようと、今の早熟育成では、実戦に出ればお前らは確実に死ぬ。死なさないためには、じっくりと時間をかけた熟成が必要だ。 池田はその辺の遅れを口実に、お前らをボロクソにけなした。二宮中佐まで含めた意味で。 しかも、その根拠は、全員が女だからときやがった。 公にすれば女性騎士の全員を敵に回せる程、厳しいシロモノだ。 そんな池田に、二宮中佐は冷静に対処した。 “模擬戦で相まみえるなら、私の教え子が、正々堂々、お相手させていただきます”とな」 「……それで」 美奈代は、二宮と長野がどれほど自分たちを心配してくれているのかを知って、不思議なうれしさを感じながら訊ねた。 「どうしてこんな騒ぎに?」 「そいつぁ……」 ポリポリと、長野は短く刈った頭を掻いた。 「その後の売り言葉に買い言葉だ。第一分隊に負けたらそういうことになる」 「……いいでしょう」 突然、そう言い出したのは宗像だ。 「む、むなかたっ!?」 「つまり、池田教官との取り決めは、第一分隊との間でのみ有効。ということでしょう?」 「……まぁ、そう言い逃れることは出来るな」 「ならば、我々は第一分隊と当たらなければいいだけ。それに、我々は性的な接待をするわけではない……」 宗像は小さく小首を傾げ、“違いますか?”と訊ねた。 だが―――二宮と長野は共に視線をそらせたが、宗像はそれに気づいていない。 「……まさか」 「それが……だな」 「ちょっと待て宗像!」 驚いた美奈代が思わず宗像の両肩をつかんだ。 「お、お前!?」 「安心しろ。泉」 本人としては本気でなだめていると主張するだろうが、妙に淫靡な手つきで手をなで回された美奈代は、産毛まで逆立った。 「張り紙をよく読め」 その諭すような口調は、不思議と相手を従わせる不思議な威厳さえ持っていた。 「何も性的接待とは書いていないだろう」 「だ、だけど!」さつきは言った。 「コスプレなんて」 「コスプレがわいせつなら、日本中のコスプレ喫茶は風俗指定されているはずだ……お前と美晴の行きつけの執事喫茶が風俗か?ん?」 「な、何で知ってるのよ!」 「部外秘だ。単に、周りが盛り上がっているのは、お前達が実は男子候補生達にとって、あこがれの対象だってことさ。恋愛相手はメスの野良犬が関の山のあいつらが、ココを卒業するまでに女の子と接する可能性がある数少ないチャンスだ。しかも、相手があこがれの誰かとなれば、萌えるのも無理はない」 「……は?」 「さっき確認したが、さつきに美晴は人気二分だな。祷子(マイラバー)は別格。当然ながら圧倒的な人気だ。コスプレもメイドからバニーまで、要求の幅は恐ろしいほど多岐に渡る。私も今から撮影機材を確保を急ぐべきと思っている」 「うっとりした声で恐ろしいこと言うな!」 「神城達はマニアな連中相手で大変だろうが……泉は、染谷ががっちり確保しているから心配するな」 「はっ?」 「いずれわかることだ。とにかく、風俗接待なし。そういうことで判断してよろしいですね?教官方」 「……いや」 教官達は、どこか遠くに視線を彷徨わせたまま、呟くように言った。 「……少なくとも俺には、そんな意図は、決してなかったんだ」 長野は瞑目して深いため息をついた。 「せいぜい、妊娠させられない程度に頑張ってこい」 「……まさか」 「二宮中佐も、かっとなった挙げ句、人生損するタイプでな」 長野は気の毒そうに言った。 「池田の野郎にうまくそそのかされる格好で、接待はベッドの中と―――こらお前らっ!手にした机や椅子を元に戻せっ!」 「……つまり」 怒りのあまり、肩で息をする美奈代達は、やっとのことで訊ねた。 「私達……負けたらそうなるんですね?」 「……すまん」 「教官、かわりにやってください」 「それは……」 言い淀んだ二宮が小さく、狂気を感じさせる笑みを小さく浮かべた。 「悪く……ないか」 「……おい」 一連の流れをあきれ顔で見ていた山崎の小脇を、都築が肘で軽くついた。 「お前、教官相手に勃つか?」 「いやぁ……僕は」 「俺なら無理だ―――ぐあっ!?」 二宮の右ストレートをまともに喰らった都築が吹き飛ばされた。 「とにかく!」 二宮は怒鳴った。 「勝て!勝って勝って勝ちまくる!それしかないの!わかった!?ただでさえ、あんた達は大穴なんだから!私が給料一ヶ月突っ込んだのが間違いでなかったことを証明なさいっ!」 「賭博までやってるんですか!?」 「胴元は校長よ!?なんか文句あるの!?」 「お前らっ!だから!机と椅子から手を離せっ!」 「……ちなみに」 肩で息をしながら、美奈代は訊ねた。 「私達、第一試合の相手は?」 対する長野は苦々しげに言った。 「……第一分隊だ」 職員室で暴れ出した美奈代達は、その晩、営倉で過ごすハメになったという。
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871 :303 ◆CFYEo93rhU:2015/08/28(金) 22 17 06 ID QMDMeeRM0 短編投下しました。 時系列的には、 550 のポゼイユ侯爵がリエール傭兵隊を頼った場面を少し掘り下げたものです。 キスカさんが気合い入れて皇国軍に協力する裏にはこんな話がありました、という感じです。 ちなみに山科さん他、行動を共にしている皇国軍人の皆さんは、キスカさんの裏の顔は(この時点では)知りません。 当のリンド王国の人々でも、裏の顔を知っている人は少ないです。傭兵隊もギルド非加盟ですし。 異文化交流的な話の一つのつもりで書いたのですが、内容が内容なので、投下するかどうか躊躇して結局削ったものです。 食事が~とか、延々と続く鉄道が~とか、飛行機が~とか、そういう無難なものだけだとネタ切れしそうで……。 ゴムの利用ですが、防水性を求めたコートやブーツ(いわゆる雨合羽やゴム長)の素材として大陸南部を中心に小規模ですが利用されています。 ただし、ゴム製というよりは従来の麻や革の表面にゴムの樹液を塗布したという感じで、あまり使い勝手は良くありません。 872 :303 ◆CFYEo93rhU:2015/08/28(金) 22 26 45 ID QMDMeeRM0 869 補足と訂正。 ×皇国が最初に国交を結んだユラ神国 ○皇国が東大陸で最初に国交を結んだユラ神国 です。 F世界全体で最初に国交を結んだのは東大内洋の島嶼国家リロ王国です。 876 :303 ◆CFYEo93rhU:2015/08/29(土) 22 33 44 ID QMDMeeRM0 感想ありがとうございます。 中世(厳密には近世ですが)を舞台にした洋モノドラマだと、今だと『アウトランダー』あたりが旬でしょうか? 史実を元ネタにしたものですが、映像的には異世界ファンタジー感が凄くて、エルフやドラゴンや 魔法の出て来ないファンタジー世界だと思って見ても、そういうものとして受け取れそうです。 ハイランダーの剣士隊が銃兵の戦列歩兵を破ったという戦闘もあったようなので、“剣と火薬”が好きな私にとって興味深い時代です。 873 必要性や存在の是非はともかく、古代から現代まで、そういう職業があるという前提で、そういう場所ならではの異文化交流もあるだろうな……という話です。 あまり深く掘り下げるとアレですが、遊女が絡む創作だと落語の『紺屋高尾』みたいな話が好きです。 昔ながらのRPG(TRPG)などで、冒険の情報を得るのに聞き込みする時、教会とか酒場、宿屋が定番ですが、その宿屋って? と考えると、ちょっと微妙な気分です。「ゆうべは おたのしみでしたね」というネタ程度ならともかく、ガチネタだと……。 875 史実でまだ理解の進んでいない頃は、使い終わった後に洗って再利用とか裏返して再利用とか、本末転倒な事もやっていたようですが。 注射針も煮沸消毒するだけで滅菌も使い捨てもしなかった時代が昭和後期まで続いてたくらいなので、そんなものなのかもしれません。 ゴム製品に限らず、多分薬莢も大部分は使い捨ててますよね。余裕があれば回収して再利用に回すでしょうが、そんな余裕は無さそう。 皇国軍の戦場跡では、地元の農民とかが空薬莢や砲弾の破片(中には不発弾も)を拾って小銭稼ぎするという光景があるかも知れません。 キスカさんは貿易商ではないので、伝手のある地元商人や皇国側に便宜を図ってくれるように根回しするしか出来ません。 そういう意味でも最前線で行動を共にして恩を売るという選択肢が出てくるのでしょう。 929 :303 ◆CFYEo93rhU:2015/10/10(土) 13 38 17 ID QMDMeeRM0 十 十 日 月 「萌」の日です。 909 911 皇国召喚は「日本が史実よりマシな状態で転移した」という結果ありきで書いているので、あまり具体的には考えていません。 この辺りを考え出すと、あちらを立てればこちらが立たずで、自身すら納得させられるような設定を構築するのは無理で、諦めました。 「ぼくのかんがえたすごい日本」なのだと理解していただくのが、一番早いと思います。 910 928 誤解を招くような書き方してしまって申し訳ありません。 908 の時点では、直してくれとも直すなとも、意思表示したつもりはありません。 「これやり始めると、かなり手直しする必要が出てきてしまうから、大変になるなー」程度の気持ちで保留中 だったのですが、修正してくれと意思表示しているようにも見える誤解を生むような文で返信した私も迂闊でした。 ただ、色々と思うところがあるので、まとめの方には二度手間になりますが「献上→贈呈」と修正した部分を全て修正前の「献上」に戻して頂けますか? ・短編『皇国に献上された赤人』 ・外伝的掌編『エレーナ殿下の御訪問』 まとめwikiでは両方とも、この書き込みした時点で「献上」には戻っておらず「贈呈」表記のままです。 宜しくお願いします。 934 :303 ◆CFYEo93rhU:2015/10/12(月) 16 52 33 ID QMDMeeRM0 930 ありがとうございます。 931-933 皇国召喚のF世界の繊維製品だと、麻、亜麻、木綿、あたりが主流かと思います。 洗濯の際に大きな桶に水と一緒に入れて棒で叩いたり洗濯板で擦ったりしても大丈夫なようなもの。 絹は上流階級御用達というのはお約束ですね。 繊維製品に限らず被服素材全般という意味なら、動物の皮(革)や羽毛とかもあります。 和製ファンタジーとしては、モンスター由来のものが冒険者御用達だったりしますし、一部は一般庶民でも使われてますね。 ドラゴンの鱗で作った鎧、火に強いモンスターの皮で作ったマント、雷(電気)に強いモンスターの皮で作った絶縁服など。 逆に、ファンタジー繊維の服ってあまり無い気がします。 魔法繊維のようなものがあっても、それが何に由来する素材なのかは不明だったり。 昆虫タイプのモンスターとか、植物タイプのモンスターは結構ありますが、昆虫タイプだと 外骨格が武器や防具の素材として使われ、植物タイプだと根や葉が薬になるという使い方がされて、 魔蛾(仮)の変態前の幼体から採れる糸は丈夫で魔法に強いとか、そういうのはあまり見た事ないですね。 アイテム合成(錬金、錬成)が重要なゲームで、素材アイテムのモンスターシルク(仮)をドロップする芋虫型モンスターとか、その程度でしょうか? 他のファンタジー要素は、繊維自体は現実の地球の物と同じ(大差ないもの)だけど、特殊な製法で作ったり、エルフのような 特殊な人種が作る事で特別な力が付与されるとか。よりオカルトっぽくなると、人間の生贄の血で染めたマントとか。 近代風ファンタジーなら、蜘蛛型モンスターの糸で建造された巨大吊り橋とかがあってもそれっぽいかもしれません。 936 :303 ◆CFYEo93rhU:2015/10/17(土) 06 07 46 ID QMDMeeRM0 935 魔法が無く、産業革命一歩手前くらいの世界観なので、さすがに合成繊維はどうだろうと 考えていたのですが、水力を使った自動織機なら、存在だけなら不思議でもないですね。 産業として大規模に行われていないだけで、どこかの発明家が造っていても……。 戦竜(恐竜から進化した)の皮とか 当初からの設定では、革製品については、牛や羊(毛皮)あたりを主に想定していました。 飛竜や戦竜(近似の竜類)は、第一に軍用、他に一部の特別な用途 のみで、食肉にしたり革製品にしたりするのは全くの考慮外でした。 唯一、小型海竜のみは食用として利用する地域もある程度です。 怪我したり老衰して使い物にならなくなった個体の資源の活用という意味ならありかも しれませんが、皮(革)を得る為に育てるなら、コスト的に割に合わないと考えています。 飛竜も戦竜も本来は家畜化に向かないにも関わらず、主に軍事的(大国の威信)に 必要だから無理しても育ててるという感じなので、供給は不安定で一般には出回らず、 王侯や将官クラスの軍人、富豪くらいしか手に入らないような超希少品になるでしょう。 肝心の品質については、どうなんでしょうね? 持っている事がステータスで使いやすさは重視されないのか、実用性も評価対象か。 革として製品にするのには専門の職人が必要ですが、竜皮は供給が不安定で量も少ないから、 竜革職人というのはそもそも存在せず、他の動物革職人の兼業(臨時の仕事)かもしれません。 939 :303 ◆CFYEo93rhU:2015/12/03(木) 19 58 28 ID QMDMeeRM0 色々滞っていて申し訳ありません。 937 現代だと、下手な天然皮革より人工皮革の方が一般人の日用品としては使いやすい部分も多いです。 同じ品種の食肉であっても育った環境や餌でかなり出来栄えが違いますし、肉も革も結局職人芸が 求められますから、天然もので高品質なのはやっぱりそれだけでステータスになりますよね。 938 多かれ少なかれ反発があるのは、人間社会である以上仕方がないと思います。 史実日本も明治維新から色々ありましたし、その前の江戸時代でも田沼意次とか……。 ライフル銃に関するイルフェス銃器ギルドの反発は、ライフル銃を造るのが嫌というものではなく、 三八式の現物サンプルさえあれば皇国からの技術者招聘など要らない、新参者に頭を下げるのが我慢ならん というプライド先行で、その為の理由づけとしてあれこれ駄々を捏ねてるだけ……という面もあります。 940 :303 ◆CFYEo93rhU:2015/12/03(木) 20 00 08 ID QMDMeeRM0 話が飛んでしまいますが……。 本家スレで、風上に向かって進めない帆船で、風上に向かって飛び立ちたい飛竜を運用する飛竜母艦の構造って どうなってるんだみたいな話題を見たので、『皇国召喚』の列強海軍が持つ飛竜母艦はこんなイメージです。 艦尾楼甲板(露天指揮所) ――――― 後甲板(艦長室、副長室、士官室、海兵隊長室、海兵隊居住区、中型カノン砲またはカロネード砲) ――――――――――====================――――――――――←舷門、飛竜発着場、艦首楼甲板 上甲板(飛竜騎士居住区、飛竜従騎士居住区、飛竜厩務員居住区、飛竜厩舎) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 中甲板(士官候補生居住区、水兵居住区、艦内作業所、厨房) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――←この階層より下は窓が無い 下甲板(医官他特技官居住区、コックピット、弾薬庫、予備資材収納庫、索具収納庫) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 船倉、バラスト ●ミズンマスト(ドライバー) ●メインマスト ●バウスプリット(ジブセイル) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ←艦尾側 艦首側→ 全体イメージ的には、3層戦列艦からメインマストを取り払って、砲列甲板2層分を吹き抜けの飛竜甲板(飛竜厩舎)にした感じです。 船体中央にマストが無いのは、飛竜の発着艦やその関連作業に邪魔だからです。 一等戦列艦で2t程度の大砲100門積めるなら、5t程度の飛竜20~30騎積んでも大丈夫だよね? という単純計算なのですが、戦列艦なら2層で支えてるのを1層で支えるのは、強度的に心配。 戦列艦ではメインマスト直前にある上甲板開放部となる部分が飛竜の出入り口で、戦列艦ならここに置かれる艦載艇は艦の前後と、舷側に吊るされる形になります。 艦尾楼の一部に自衛用の対艦砲が4~8門ある以外、砲列甲板が無く砲門も無いので、艦載艇を舷側に吊るして固定する方法でも問題ないだろうと。 船体形式としては横帆主体の2本マストなのでブリッグまたはスノーになるのでしょうが、規模的には3本マストのシップなので、果たしてこれでちゃんと走れるのか? 戦列艦以上に鈍足で運動性が悪い軍艦というイメージはありますが、運動戦をする艦ではないにしろ、あまり船足が遅いと問題かな……。 艦尾楼甲板と艦首楼甲板には、対艦兼対空旋回砲、対空ロケットランチャー、対人旋回砲が2~4門ずつあります。 艦尾楼にある数門の対艦砲は専ら自衛用で、海兵隊も専ら斬り込み防御要員です。 対空砲と対空ロケットは、仰角を水平にすれば対艦用途にも使えます。 建艦史的には、飛竜を洋上でも使えたら便利じゃね?という声があって、初期はガレオンや戦列艦を改造して1~3騎程度 積む航空戦艦的なものだったのが、やはりそれだと色々不便だったので飛竜を運用する専用艦を造ろうという感じで、 船体規模は一等戦列艦並みかそれ以上なのに対艦攻撃力を殆ど捨てたかなり特殊な艦になった……と。 肝心の飛竜の発着艦ですが、横から風を受けて航行している場合、艦に対して左からの風で進んでいるなら左に向かって発艦し右側から着艦。 左からの風なら船体はやや右に傾いている筈なので、数メートル分でも緩い上り坂を駆け上がりながらの発艦になる筈です。 通常航行であれば真後ろから風を受けるという事はまず無い筈なので、真後ろに向かって飛び立ってミズンマストが邪魔になるという事も無い筈。 飛竜は風を捉えていれば助走なしで飛び立つ事もできるので「滑走の為の飛行甲板」はあればあったで有利ですが、無くても離着陸(発着艦)は可能です。 10バルツ爆弾など重装備抱えて出撃する場合などは、無風か微風状態では辛いですが。 メインマストが中央にあって「フォア+メイン(艦尾楼から出入り)」か「メイン+ミズン(艦首楼から出入り)」 という形だと、ジブセイルかドライバーが使えず、対空射撃時に自分の帆で死角ができてしまう気がして、 「フォア+ミズン」のような配置にしたのですが、これはこれで不格好だし前後の帆が邪魔な気もします。 架空艦種は難しいです……。 942 :303 ◆CFYEo93rhU:2015/12/22(火) 08 41 53 ID QMDMeeRM0 941 プライドも、良い方向に働けば悪い物でもないのです。 真球職人とかのように、銃器職人も腐っても技術者ですから。 さて、今年はちょこちょこと外伝的掌編など投下させていただいて いましたが、本編の進みが全くといって良いほどありませんでした。 久々ですが本編の続きを投下します。
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SNNバルキリー 幻影の音楽譚 UNIT U-061 緑 発生 緑/赤 1-1-0 C (ダメージ判定ステップ) 《0》このカードが交戦中の場合、カード1枚を引く。 バルキリー ファイター Mサイズ [0][0][2] 出典 「超時空要塞マクロスⅡ -LOVERS AGAIN-」 1992
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祷子の駆る10号騎が、突然の移動命令を受けたのは、美奈代達がワイヤー攻撃を開始した直後。 祷子には、それに従った。 指定されたのは、3キロほど先の山の中。 警戒態勢のまま、山中を移動しろ。 命令はそれだけ。 後衛になったから、教官達が別任務でメサイアに慣れさせようとしているんだ。 祷子はそう思っていた。 だから、祷子はブースト移動で山中に分け入った。 祷子を待っていたのは、葉を落とした木々を、まだ分厚い雪が覆う世界。 その自然美に祷子が見とれ、この世界にふさわしい曲名を考えていた時のことだ。 警告と共に、水城中尉が放った怒鳴り声が、祷子を幻想から現実に引き戻した。 「レーダー使用不能!各センサーオールダウン!」 「えっ?」 「警戒してください!」 「何の演習ですか?」 「実戦です!」 祷子は目の前の計器類を見た。 確かに、それまで機能していたはずのレーダーや、外部状況を知らせるセンサー情報を表示するディスプレーが軒並みブラックアウトしていた。 それさえ、祷子は演習だと思っていた。 実戦。 そう言われても、何の実感もわかない。 「“弥生”!オール・センサー、コンバットモード!全武装安全装置解除(オールウェポンズフリー)!」 「はいっ!」 「RT-01よりHQ、状況レッド。繰り返します!状況レッド!」 緊迫した水城中尉の声。 それまで会話していた時ののんびりした感じはない。 “弥生”も同様だ。 何かが起きた。 祷子が、ようやくそう認識出来たのは、“弥生”の目を見たからだ。 “弥生”の、エモノに襲いかかる猟犬のような目。 その眼差しが、無意識に祷子をそうさせたのかもしれない。 「HQ、応答を!こちら―――」 グンッ! 騎体が動いた。 システムが処理しきれなかったGにより、水城中尉は危うく舌を噛みそうになった。 「なっ!?」 呆然とする彼女に、祷子が怒鳴った。 「中尉!あれは何ですか!?」 モニターの向こうに、“それ”は存在していた。 白い毛並みを持つ四つ足の獣。 狼だと、祷子は思った。 一方、中尉が問題としたのは、そのサイズ。 メサイアよりやや小柄。 子供とセントバーナードくらいの違いしかない。 つまり――― 普通ならあり得ないサイズなのだ。 「妖魔です」 水城中尉は“妖魔”という“あり得ない存在”を前に、祷子に告げた。 「あれが、あなたのエモノです」 「あれを―――倒せと?」 「そうです」 「……」 「怖いのはわかりますが」 「いえ。そうじゃなくて」 恐る恐る、祷子は言った。 「それって、動物虐待では?」 「……」 「?」 突然、中尉が黙ったので、祷子は彼女の機嫌を損ねたかと心配した。 「ち、中尉?」 「し、心配いりません」 MCLで中尉が精神安定剤をがぶ飲みしていたことを、祷子は知らない。 「あれは地球上では“動物”ではありませんから」 「はい?」 「詳しい説明は、“あれ”を倒してくれたらしてあげます」 「事前ではダメですか?」 「その前に―――死にますよ?」 祷子は周囲を見回して青くなった。 モニターの向こう。 “妖魔”は、すでに祷子達を囲んでいた。 ピーッ! 「ちっ!」 舌打ち一つ。 祷子は騎体を急速後退した。 ガァァァッ! それまで祷子のいた場所を、得体の知れないバケモノの顎が襲う。 顎の力がどの程度かはわからない。 ただ、さすがに囓られたい顎ではなかった。 「最近の映画は出来がいいですね」 額を汗が流れるのを感じながら、祷子は呟いた。 「本当、スゴい」 「いえ。コレ絶対、映画じゃないですから」 そう突っ込むのは、MCの水城中尉だ。 「じゃ、ゲーム?」 「―――現実よ。げ・ん・じ・つ」 背後からの“妖魔”の一撃を、騎体を急旋回(スピン)させて祷子は凌いだ。 「とにかく、撃破して下さい」 「で、ですけど」 祷子はメサイアを回避させはする。 だが、未だに剣に手をかけようとさせない。 「か、かわいそうじゃないですか」 その弱々しい声に、中尉は怒鳴った。 「何がですかっ!」 「だって!」 祷子は必死に反論した。 「ただ、ここにいるだけなんでしょう!?実害があったわけじゃ!」 「あってからじゃ遅いんです!」 祷子はメサイアを微妙に後退させて、前後からの攻撃をかわした。 「あんなのが町に出たらどれほど死人が出るか!」 「やってみなきゃ!」 「知りたいのは犠牲者の数っ!?」 「あの子達が町に出るかどうかですっ!」 「4年前に出てる!」 中尉は言った。 「4年前のグリーンランド戦線で―――」 苦虫を噛み潰したような声で、中尉は続けた。 「私の兄の仇よ……」 「お兄さまの?」 「グリーランド戦線に派遣されていた兄は、あの妖魔の奇襲を受けて、メサイアごと挽肉にされた」 「……」 「私は、今回の敵が“あれ”だと聞かされたから、こうして志願して来たの」 「で、でも」 「そうね」 中尉のため息が、祷子の耳にも届いた。 「……風間候補生。この質問に答えられる?こいつらは、わかってる限り、生肉が主食」 「……」 モニターの向こうで、“妖魔”がこちらを睨んでいる。 グウァァァァッ! その咆哮が祷子の耳に心理的な恐怖心を植え付ける。 「この周辺で、こいつらの胃袋を満足させられる数を誇る生物は―――人間だけよ」 「!!」 「近くの集落まで約2キロ。あいつらは、そこの住民をご飯にしたくて、ここまで移動してきたとしたら?それを阻止出来るのが、あなただけだとしたら?」 祷子はコントロールユニットを握りしめた。 それが、祷子の答えだ。 「“弥生”ちゃん」 「はい」 心配そうに祷子を見つめるのは、“さくら”同様、年端もいかない女の子だ。 「―――いけますか?」 「はいっ!」 ギインッ! ついに祷子騎が剣を抜いた。 放たれる剣という殺意。 妖魔も、それで祷子騎が敵と認識したのだろう。 ギァォォォォォォッ グォゥゥゥゥゥッ 咆哮を上げながら祷子騎に襲いかかってきた。 ズンッ! 祷子が狙いを定めたのは、正面から飛びかかってきた一匹。 体を滑らせるように移動した祷子騎は、すれ違い様の一撃で、その首を切断してのけた。 首を失った妖魔がもんどり打って地面に叩き付けられた。 「やるぅっ!」 それを感知した“弥生”が歓声を上げた。 「お姉ちゃん、スゴい!」 「……戦車並の装甲を誇る相手を一撃で?」 「“弥生”ちゃん!」 祷子が怒鳴った。 「敵の数は!?」 「約10!―――違っ!雪の中に伏せてる!数、現状15!」 「報告より多い!」 中尉が焦った声を上げた。 「HQ!敵は増大している!増援を!」 「10時と4時から来るよっ!」 “弥生”の警告に、祷子は敏感に応じた。 ザンッ! 一匹の胴を、すれ違い様、シールドで切断し、 ズシャッ! もう一匹の脳天に剣の切っ先を突き立てる。 ―――ズズンッ 祷子の前で、二匹が力無く地面に落ちた。 「やれるっ!」 兄のあだを討てる中尉は興奮気味だ。 「すごいわっ!」 本当にそう思う。 妖魔――― 時にメサイアでさえ一撃で粉砕する文字通りのモンスターを、この騎は苦もなく粉砕していく。 本来の性能もあるだろうが、それを引き出しているのは、間違いなく――― 「こ―――」 中尉は、レシーバーに、何かが入ってることに気づいた。 「?」 ブツブツブツ…… 何を言っているのか、最初わからなかった。 それが言葉だと、 祷子の声だと、ようやくわかる始末だった。 「候補生?」 「……」 中尉の言葉に、祷子は応えない。 ただ――― “弥生”の声にのみ、祷子は鋭敏に答えた。 「7時から1匹!」 ブンッ! 逆手に持った剣が妖魔の喉を貫いた。 「11時、2時―――6時からも!」 剣を手にしたメサイアが急旋回。 一気に3匹を血祭りにあげた。 「……心は則ち、神明(かみとかみと)の本主(もとのあるじ)たり」 それが、祝詞だと、中尉にはわからない。 「心神(わがたましい)を傷(いた)ましむること莫(なか)れ」 ただ、祷子はメサイアを駆り、目の前の敵を殺し尽くそうとした。 間近に接近し、隙を狙う一匹に襲いかかり、その頭を粉砕した。 間合いをとろうという二匹を短刀を投げつけて仕留めた。 「……諸(もろもろ)の法(のり)は影(かげ)と像(かたち)の如し」 一瞬、背後に潜んでいた妖魔の目が光った。 次の瞬間――― ビンッ! 弦を弾いたような音と共に光が放たれ、雪山の一角が吹き飛んだ。 「“マスター”!」 “弥生”が怒鳴った。 「敵はマジックレーザーを使いますっ!他にも反応多数!」 「候補生!増援が来るっ!」 祷子は回答の代わりに動いた。 敵のマジックレーザー発射の直前、騎体を跳躍させ、同士討ちさせたのだ。 雪に覆われた世界を吹き飛ばす災禍の中、地面に降り立った祷子騎は、狼狽する敵に襲いかかった。 「……清(きよ)く潔(いさぎよ)ければ仮(かり)にも穢(けが)るること無(な)し」 ついに数匹が逃亡にかかった。 祷子騎は、瞬間移動に近い動きで、その前に回りこむ。 「説(こと)を取(と)らば得(う)べからず 皆(みな)花(はな)よりぞ木実(このみ)とは生(な)る」 妖魔達の死骸が最後の光芒と共に消え去る中。 祷子騎は何事もなかったかのように立ちつくしていた。 「無上(むじょう)霊宝(れいほう) 神道(しんとう)加持」 祷子の言葉が、静かにコクピットに流れた。 「いーち!にーぃ!」 候補生達が並んで腕立て伏せにいそしむ中、長野教官が怒鳴り声を上げた。 「このバカ共っ!誰がここまでやれと言った!」 その背後では、擱座した騎がベルゲ・メサイア(メサイア回収騎)による回収作業を受けている。 雛鎧の被害は惨憺たるものだった。 両足切断の騎に始まり、大規模修理を意味するC整備どころか、完全分解整備を意味するD整備が必要な騎が約半数。 おかげで、整備部隊が候補生達に憎悪どころか殺意に近い視線を送ってくる。 「柏っ!」 「はいっ!」 「突撃の呼吸が滅茶苦茶だからああなるんだ!」 ゲンッ! 教官の竹刀が美晴の背中に叩き付けられた。 「作戦を立案しながら、一番の所でコケおって!貴様、●●ついてんのか!?ああっ!?」「もっていませんっ!教官!」 竹刀の痛みは戦闘服がカバーしてくれる。 美晴は腕立てを続行した。 「同じ事ぁ!誰に言えるかわかってんな!?―――宗像っ!」 「はい」 「返事が小さいっ!貴様も!」 「私もついてませんっ!」 「やかましいっ!」 「―――まぁ。対メサイアに限定して、何人かは、戦力になるでしょう」 二宮の横で候補生達を眺める騎士が言った。 よく通る声が耳に心地よい。 「さすが、隊長の子供達です」 「よせ」 二宮は苦笑しながら言った。 「私は既に、ここの教官に過ぎない」 「もったいない」 「護衛隊(ガーズ)の後釜はお前だ」 その言葉に、騎士は複雑に口元を歪めた。 整った顔立ちとアップにまとめたレタスグリーンの髪。 高い背もあって、知的な美人と言って差し支えない。 「何しろ」 二宮は、視線を教え子からメサイアへと向けた。 「私の子供はヤンチャだからな」 「はっ?」 「セオリーなんて関係ない。おかげでこの騒ぎだ―――それより」 二宮の前で、祷子の騎が止まった。 祷子が、ようやく帰投を許可されたのだ。 野戦整備用のハンガーキャリアが騎に横付けされ、整備兵や一目で開発局スタッフとわかる連中が騎体のあちこちを調べ始めている。 「月城。この騎については、何か聞かされているのか?」 「RT-01について、ですか?」 「RT-01?」 「機密騎です。詳しくは自分も知らされていませんが」 月城と呼ばれた騎士は、少し考えてから、 「水龍後継騎の一派生騎と、整備兵の噂は耳にしています」 「……βタイプだそうだな」 「はい」 対メサイア戦用、つまり、普通の目的で開発されたのがαタイプ。 対するβタイプとは――― 「実験用騎を、何のために?そんなに雛鎧が不足しているとは聞いていない」 そう。 メサイアの開発・研究用に特別開発されたのが、βタイプ。 決して、実戦に用いられない。 騎士達は、そう説明されているし、世論もそれを疑っていない。 訝しげな視線をメサイアに送る二宮の前で、後藤達が、ハンガーキャリアに乗って、コクピットから出てきた祷子達の前に降り立った。 会話はここでは聞こえないが、気になる。 「あれは、完全な意味では実験騎ではありません」 ちょっと意外。 そんな顔で、月城が答えた。 「実験騎では、ない?」 「……定義が難しいのですが」 「わかるように説明してくれ」 「はっ……」 月城は、困った顔で言った。 「先程申し上げた通り、あれは総隊旗騎にして天皇騎たる水龍後継騎として開発されました。そして」 「……」 「水龍は……対メサイア戦用に開発されたものではありません」 「ん?」 二宮は眉をひそめた。 「総隊旗騎が実験騎だと?」 「違います。あれは、完成したβタイプ。対妖魔戦用メサイアです」 「……妖魔」 後藤の言葉が、二宮の脳裏をよぎった。 「つまり、βタイプメサイアの真実とは、対妖魔戦用メサイアのことで」 「……月城」 「はっ」 「そこまで知っているということは、だ」 じろっ。 二宮の眼光が、月城を射抜いた。 「貴様……全て知っていて、ここに来たな?」 「命令です」 月城は負けじと二宮に視線を送った。 「我が内親王護衛隊―――“レイナ・ガーズ”は、本演習にサポートとして参加。訓練機の実戦演習指導に当たること。ただし、演習指導は表面的なものであり、本来任務は、索敵機器を搭載した訓練機を攪乱。演習区域を広範囲に移動させ、“目標”を索敵・殲滅することでした」 「目標?―――それが妖魔か?」 「はい。ここ一帯での活動が確認されていました」 「それを探し出すにしろ、演習なら問題はない。公式に作戦行動としては、事態まで公にせざるを得ない」 「その通りです。大尉」 「面白くないな。一歩間違えれば候補生達は妖魔とやらのエジキになるところだ」 「任務です」 「それだけか?」 「それだけです」 「―――月城」 「はっ」 「貴様……最も大切なことを、隠していないか?」 「はっ?」 二宮は、指を二つ、月城の前に出した。 「一つ―――貴様等、“レイナ・ガーズ”は麗菜殿下護衛が任務であり、妖魔相手の作戦に出る部隊ではない―――何があった?どこから命令を受けた? 二つ―――その妖魔とやらがそこらに簡単に出るとは思えない。この一帯―――今回の、この急な演習にも関わらず、何も騒ぎになっていない。何故だ?ここに、何があるんだ?」 「……」 月城は、ぐっ。と黙ってしまった。 それは、月城が真相を知っている証明。 「月城」 「……一教官に、告げて良い内容ではありません」 月城は、敬礼すると、部下と共に踵を返し、二宮の前から姿を消した。 「……成る程?」 苦笑する二宮は、その態度で、全てを覚った。 「ったく……とんだ騒ぎになったわね」 雛鎧のコクピットに戻った美奈代は、騎体をブースト移動させながらぼやいた。 「12時間のご飯抜きは解除されないし」 「仕方ないです」 牧野中尉が気の毒そうに言った。 「みんな、そうやって一人前になるんですよ?」 「中尉も経験が?」 「私は最高72時間です……最後は医務室に担ぎ込まれましたけど」 「それって虐待」 騎体が地面に着地。再びブースターを吹かし、雛鎧は跳んだ。 「でも」 クスクス。 牧野中尉は、吹き出した。 「騎体大破の責任で、教官達も今回はいろいろ大変みたいです」 「大変?」 「とりあえず、今夜のおでん屋はなしとか」 美奈代は、吐き捨てるように言った。 「―――いい気味です」 モニター越しに映し出される景色が変わった。 美しい雪景色が、黒く焦げた一帯へと。 「ここで―――風間が?」 「はい」 ピッ 牧野中尉によって、美奈代の前のモニターに情報が映し出された。 「“戦狼(せんろう)”級妖魔。サイズはM。主要な武器は牙と爪―――そしてML(マジック・レーザー)」 「それが、15体」 なぎ倒された木々。 えぐれた大地。 死骸こそないが、ここで何があったかは子供でもわかる。 「そうです。風間候補生は15体1の勝負に完全勝利されたのです」 「……信じられない。というか、そんなに弱いのですか?そいつら。20メートルの体格で」 「南米戦線ではかなりの犠牲を強いられています」 「……」 雛鎧が着地。 ブースト移動をかけた。 「それにしても」 美奈代は周囲を見回した。 「その戦域を飛び越えてシールドが飛んでいったなんて―――“さくら”の馬鹿力」 「ちがうもんっ!」 “さくら”が怒鳴る。 「マスターがバカなんだもんっ!」 「こらっ!」 美奈代が怒鳴ろうとした時、 ピーッ! 警告音が鳴り響いた。 「候補生っ!」 「しまっ!」 グンッと来る落下の感覚。 ドンッ! 満足な準備もなく地面に落下したせいで、システムが処理しきれなかった衝撃が、美奈代の尾てい骨をモロに直撃した。 「……い……っ!」 尾てい骨から走った痛みが脳天を貫き、美奈代が固まった。 「あーあ。マスターのバカ」 その顔の前で、“さくら”が呆れた顔を見せる。 「……」 美奈代は口をパクパクさせるのが精一杯だ。 「痔になった?お尻割れた?」 「か……こ……」 「染谷さんとのこと思い出して感じちゃった?」 パカンッ! 美奈代のゲンコツが“さくら”の頭を直撃した。 「痛いっ!」 「誰があんなオトコと!」 「したんでしょ?お尻で」 「してないっ!」 「えーっ!?染谷さん奥手!」 “さくら”がびっくりした顔になった。 「まだ手を出してもらってないの!?」 「あ、あんなオトコに興味はないっ!」 美奈代が怒鳴った瞬間。 『HQより1号騎』 司令部から通信が入った。 二宮だった。 「こちら1号騎、泉候補生!」 『痴話喧嘩を回線開放のままやるな!筒抜けだ!』 「―――!!」 美奈代の顔が爆発したように赤くなった。 「も、申し訳」 うつむく美奈代の横で、“さくら”がやーいやーいとはやし立てる。 『それより、シールドは発見出来たのか?』 「す、すぐ近くだと」 美奈代は慌てて周囲を見回した。 シールドの落下予測地点のすぐ間近を目指してジャンプしたのだ。 視界に入るはずだが――― 「マスター、あったよ?」 “さくら”が指をさした先。 木々をなぎ倒し、地面に突き刺さっている白い金属物。 それは確かに、シールドだった。 「ホッ。……こちら1号騎。HQ、シールドを発見。現在位置、日村―――」 「マスターぁ」 “さくら”がそっと美奈代に抱きついた。 「ん?」 抱きつく“さくら”の体が小刻みに震えている。 怯えているのだ。 「どうした?“さくら”」 「は、早く帰ろう?シールドなんて放っておいて」 「そうもいかん」 美奈代はシールドに近づき、無造作に地面に突き刺さるそれを引き抜いた。 「っ!!」 “さくら”が息を飲んだのを、美奈代は確かに見た。 「何がそんなに怖いんだ?“さくら”」 「だ、だって―――」 ガタガタ震える“さくら”は答えた。 「地面から―――何かが出てる」 「HQより1号騎MC、牧野中尉」 『こちらHQ』 「シールド落下地点。センサー異常。測定限界越えました―――データ転送します」 『HQより1号騎。現状のまま待機せよ』 「?」 「グスッ……マスターぁ」 どういうことだ? 美奈代は首を傾げた。 妖魔。 センサーの異常。 “さくら”の怯え。 ここに、何があるというのだ? 美奈代は、シールドがめり込んで陥没しただけの、何の変哲もない穴を、じっと見つめた。 長野県大字日村。 美奈代には、その地名だけしか理解できるものがなかった。
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基本情報 ◇本名 :ブランリュゼール(愛称:リュゼ) ◇種族 :ヴァルキリー ◇年 齢 :15歳 ◇性別 :女 ◇穢れ値 :00 ◇種族特徴:戦乙女の光羽、戦乙女の祝福 身体的特徴 ◇容 姿:藍色の髪に翡翠の垂れ目 ◇身長/体重:163cm/58kg 称号まとめ 称 号 名誉点 由 来 紅茶好き(ティー・マニア) 20点 ティーセットを購入した記念に☆ プロフィール 正式名称は「ブランリュゼール・グローリア」 リュゼが生まれたのは裕福な商人の家でした。父親は名打ての商人として仕事に打ち込んでいましたが、仕事ばかりで恋愛をする機会がなく、気がつけば60を前にして独身という寂しい毎日を送っていました。そんな時出会ったのが、当時依頼人と冒険者の関係であった現在の妻でした。45歳年下の美少女に心奪われた商人は、プレゼント攻撃や食事に誘うなら、ありとあらゆる手を尽くして想い人にアプローチし、ついにそのハートを掴むことに成功します。惚れ抜いた愛妻との間に生まれた一人娘であることもあって、父親はリュゼを目に入れても痛くないほど可愛がっていました。 家族構成 +... ◇マルチャン・グローリア 父親。溺愛しすぎたため、娘がやや世間知らずに育ってしまったことを心配しつつも、甘やかすことをやめられないお父さんなので、娘が冒険者になった今は、いろんな意味で心配しています。 ◇ディオサ・グローリア 母親。夫とであったときの年齢は15歳。もともと冒険者だったため、娘のこともさほど心配してない、花のような見た目に反してかなりスパルタなお母さんです。 ◇タイラント グローリア家の執事兼SP兼世話係兼会計士兼家庭教師のダークトロール。元々は冒険者で母親とPTを組んでいました。リュゼの剣術の師でもあり、ユーフォリカに武術と礼節の基礎を教えた人物でもあります。広い見識と知識を持ち、大柄な体躯に似合わず、優雅な所作も心得ています。最近の趣味は薔薇の栽培と開発のようです。 他PCとの交友関係 +... 名 前(敬称略) 同行回数 続柄 ヤーガラッハ 1回 シルク 1回 セイミア 1回 ユーシス 1回 オパール 1回 メロメロン 3回 可愛いお友達です マル 1回 ウルヤナ 2回 ソウル 3回 いつも冷静で知的な殿方です スファレ 1回 レタス 3回 いつも熱心に勉強されていますね ネグロ 1回 エリーゼ 1回 ノプア 1回 タクト 3回 ビクトル 1回 ルトゥム 2回 ニノン 2回 ミネカゼ 1回 ドロロ 1回 ザビーネ 1回 ネヌーファル 1回 ゼプツェン 1回 ヒューゴ 1回 スファレライト 1回 マルグレット 1回 セッション履歴 卓 名 成長帯 G M 成 長 経験点 報 酬 名 誉 1ゾロ ご注文は狼ですか? 3000-5500 しらたき 器用度 1060点 763G 14点 0 反逆のRR 3000-6000 macro 生命力 1150点 600G 16点 0 ドングリの背比べ 3000-6000 あでぃ 筋力 1250点 1100G 12点 0 ちょっとした、伝言ゲームの手違い 3000-6000 macro 筋力 1130点 706G 13点 0 恋の季節…? 3000-6000 シフォン 敏捷 1030点 700G 13点 0 魔霧の海原3 5000-10000 イセオ 器用度 1250点 1408G 17点 0 魔霧の海原5 6000-11000 イセオ 器用度 1180点 1625G 20点 0 魔霧の海原6 6000-11000 イセオ 器用度 1220点 3165G 25点 0 駄剣の迷宮 その1 8000-12000 Azif 器用度 1330点 1940G 32点 0 GMB - - 筋 力 1350点 2000G 15点 0 季節外れのカブト 10000-15000 macro 精神力 1320点 3705G 21点 0 GMB - - 知 力 1400点 3000G 20点 0 GMB - - 精神力 1400点 3000G 20点 0 穢れし者達の宿命―獣人篇― 15000-20000 eino 知 力 1270点 5280G 33点 0